timeout
2人の時間は、
きっとお互いどんな時間よりも安心できている。
部活帰りの俺の部屋。
幼なじみの特権。当然のごとく俺の部屋までなんのてらいもなくついてきた伊月。
俺はバスケの雑誌を読んでいて、横に座る伊月はなんか文字ばっかりの難しそうな本を読んでいた。
俺には向かない。
お前生粋の理数系だろ、と呆れるけど、そんなん今更。
気にした方が負けだ。
それぞれ、
自分の好きなことをする。
相手に気を遣う必要のないこの時間は結構好きだ。
俺らだから、
できることだと思う。
身体の右側に、暖かく伊月の存在を感じる。
とん、
やがて、右肩に微かな重みが乗った。
伊月に目を向けてみると、それは伊月の頭で、肩口からさらりと髪が流れていた。
規則的な寝息も聞こえる。
俺の身体に沿うように伊月の頭が滑り落ちて、太股の上へと移動する。
よっぽど疲れていたのか、伊月の瞼はぴくりともしない。
無防備な姿はなんともしれないくらい可愛くて。
襲われても知らねぇぞ、
なんて呟いて、
伊月の顔にかかった髪を退けて、その唇に顔を臥せた。
(…どうしよう、起きてもいいのかな
……顔熱い、日向の馬鹿)
伊月は実は起きてたんだぜっていうwww(^q^)